……アハハ、冗談です。左の写真は、足立正生監督の復帰第一作『幽閉者』の撮影現場での一コマです。
若松さんは、昨日(16日)『幽閉者』のメイキングビデオのインタビューを、牢獄のセットの中で受けました。様々な質問に対する答えの中で、この『幽閉者』を「モデルになった岡本公三にも現地で会ってるし、どんな仕上がりになるのか楽しみだ」と、答えていたのが印象的でした。でも、牢獄のセットの中でのインタビューとは、考えたものです。
若松さんが撮影現場を訪れたのは、エキストラとして出演するためです。ほかにも足立さんの友人の松田政夫さんや平岡正明さん、流山児祥さんなどが呼ばれていました。待機中はジョークや共通の知人の消息などが飛び交い、極めて和やかな雰囲気。でも、撮影準備に入ると、若松さんは助監督に遠慮なくダメ出しをしました。……ほかの監督の助監督で、ほかの監督の撮影現場なのに(笑)。
おそらくそうしたのは、足立正生監督の現場だったからでしょう。足立さんは若松さんの名作の脚本を多数書いています。彼がアラブへ去ってからも、若松さんは毎年のようにレバノンを訪ね、彼と会っていました。そんなつき合いなので、二人の会話は、横で聞いてるとまるで掛け合い漫才です。若松さんと足立さんのこれまで関わりをその会話で描いたら、面白いコメディー作品ができるにちがいありません。
若松プロ出身の高橋伴明監督が、連合赤軍の粛清を描いた『光の雨』を撮り、そしていま、足立正生監督が日本赤軍を描く『幽閉者』を撮っています。若松監督が撮る『実録・連合赤軍』は、それらのモチーフを歴史の流れの中で描く作品になります。(B)