11月15日
午前7時半。天候、晴れ。「新倉ベース」での撮影、始まる。昨夜の雨で、現場から見上げる山の頂が白く染まっていた。現場には、出演者たちの控え室用に天幕が張られている。昨夕、現地入りした出演者たちは、緊張の面持ちだった。
ファースト・カットは、赤軍派と革命左派(京浜安保共闘)の共同軍事訓練に先立つ全体会議。出演者たちのその緊張が、実際にこのとき初めて顔を合わせた連合赤軍のメンバーにふさわしい。この共同軍事訓練は、赤軍派の森と、革命左派の永田による主導権争いの場でもあった。
共同軍事訓練のシーンは、若松監督の経験が生かされた。監督は、1970年「赤軍-PFLP 世界革命戦争宣言」の撮影の折、レバノンでPFLPの軍事訓練を経験している。この軍事訓練の撮影の半ばから、雨が降り始める。山の天気は、この映画の撮影同様、変化のテンポが速い。
昼飯は、現場に配達された弁当。
午後、連合赤軍の主導権を握ろうとする革命左派による、赤軍派への巻き返しが起きる……。それに利用されたのが、赤軍派メンバーだった遠山美枝子だった。遠山を演じる坂井真紀は語る。
「私は、〈女性〉という問題に興味がありました。日本赤軍の重信房子さんなどは、機会があれば演じてみたいとずっと思っていました。若松さんと知り合い、その重信さんの親友だった遠山さんが主人公の一人となるこの映画の話を聞いて、これこそやりたい、と思ったのです。いま、どんどん自分が遠山さんに引き込まれいるのを感じています」
屋根を叩く雨脚の音で中断する場面もあったが、撮影は午後5時頃終了。皮肉もそのときは、再び星のきれいな晴れ空だった。
そして、午後8時、静かな山里にときならぬ革命歌「インター・ナショナル」が、響き渡った。出演者たちによる、明日のシーンのための歌唱練習だった。時と場所を超えて、かつての若者たちの聖歌「インター」が響き渡る……。ここ鬼首に、映画という〈異空間〉が出現しつつある。
現場は都内周辺。経験が必要。
詳しくは、実録・連合赤軍制作委員会まで。
コメント (4)
楽しみです! 期待しています!
「光の雨」ではインターナショナルを、いきなり「♪起て~飢えたるもの~よ」から唱ってましたけど、我々の時代は、「あ~あインタナショナ~ル・・・」をワンフレーズ、イントロやってから、唱ってました・・・これってセクトで違っていたのでしょうかね?
投稿者: カワウソ | 2006年11月17日 23:31
日時: 2006年11月17日 23:31
「革命左派」という組織は、私にとって今でも謎です。いくらマオイストだからって、あの時点で「反米愛国」って。やっぱりわからない。
山本直樹の「レッド」もまるでドキュメンタリーのように永田洋子のあの頃を描き出して絶好調のようですが。
カントク、とにかく頑張って下さい。それしか、今は言えませんが。
イーストウッドの『父親たちの星条旗』をはるかに超える、<戦争と政治>についての映画の完成を期待しています。
投稿者: natunohi69 | 2006年11月18日 06:18
日時: 2006年11月18日 06:18
重信と遠山が親友という設定そのものが間違っている。
遠山は重信を姉の如く尊敬し一目も二目も置いていた。
投稿者: 匿名 | 2006年11月22日 01:54
日時: 2006年11月22日 01:54
重信と遠山が親友という設定そのものが間違っている。
遠山は重信を姉の如く尊敬し一目も二目も置いていた。
投稿者: 匿名 | 2006年11月22日 01:55
日時: 2006年11月22日 01:55