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連帯感

11月24日

060003 今日の撮影開始は、午前8時半。
最大数28人を数えた出演者も昨日あたりから徐々に現場を離れ始め、
小屋の中から徐々に人が減ってゆく。060007 粛清や逃亡により人数が減っていった実際の榛名ベースも、こんな様子だったのだろうと思わせる。
今日のアガリ(撮影終了)は、午後3時過ぎ。比較的余裕があった。
連合赤軍の榛名・迦葉(かしょう)・妙義の各ベースで殺されたのは、合計12名。ほとんどの者が総括を名目に殺されたが、なかに2名だけ死刑を宣告された者がいる。革命左派(京浜安保共闘)の寺岡恒一、赤軍派の山崎順だった。だが、彼らが他のメンバーのように総括を要求されたのではなく、なぜ死刑だったのか、その理由はわからない。その二人の死刑が今日のおもな撮影シーンだった。
映画の撮影現場を支配しているのは、「時間」だ。もし、無限に時間があるのなら、この映画は成立しないだろう。どんどん進む若松監督の「時間」に、出演者たちも戸惑い気味だ。しかし、出演者たちの顔つきが変わりつつある。流れゆく歴史のなかで、「いま」をつなぎ止めるのがこの作品だ。その「いま」が、30年前のいまであったように……。
トラブル、アクシデント、インシデントその他が起きるのは当たり前だが、それ故に、現場ではこの作品作りへの一種の連帯感が生まれつつある。今日で出番を終えた出演者がセットを出て、現場を離れるとき、どこからともなく拍手が起きた。

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2006年11月24日 23:39に投稿されたエントリーのページです。

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