2月13日
いよいよ、
「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」
上映!
2月13日午後7時から、ベルリン・ポツダム広場ソニーセンターの「シネスター8」で「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」の上映が始まりました。ベルリン国際映画祭では、上映館を変えながら合計4回上映されます。その記念すべき第1回目の上映場所は、鉄とガラスの建物が深い円形の広場を作るソニーセンターの地下にある巨大なシネコン「シネスター」の第8スタジオでした。
シネスター8の前には、上映10分ほど前には50人を超す人が集まっています。そして、上映開始時には、座席の前列数列を除き、800人入るという館内は、約8割埋まっていました。まず、拍手に迎えられた若松監督の舞台挨拶。その舞台挨拶のあと、主催者から43年前の「壁の中の秘め事」を出品したときの写真が手渡されました。このサプライズには、監督も大喜び。
そして、照明が落とされ、上映開始。この闇が創り出す非日常的空間こそが、劇場で観る映画の醍醐味です。トップシーンの雪化粧した浅間山が、日本から遠く離れたベルリンの巨大なスクリーンに映し出されると、この映画に関わった万感の思いが湧き上がります。若松監督には、それは8、000キロ距離だけではなく、43年の時間を映画によって超えた一瞬でした。
ベルリン居住中の友人によると、こちらの観客は上映作品が気に入らないと、遠慮容赦なく席を立つそうです。作品感想の第一声は、「席を立つ人が少なくて、驚いた」でした。多くの日本の観客だけではなく、ここベルリンの観客にも、3時間を越える上映時間が、けして長くなかったようです。
上映後、永田洋子を演じた並木愛枝さんも交えたテーチインは、観客の質問に会場から拍手が湧き、監督の答えにも拍手が湧くほど、ヒートアップします。「43年前に上映されたぼくの作品が今年また上映されたように、この作品がまたいつか、このベルリン映画祭で上映される機会があることを願っています」、と監督。しかし、次の作品の上映時間が迫り、質疑応答は止むを得ず終了しなければなりませんでした。時間切れで質問ができなかった観客から、館外の人混みの中で次々に直接若松監督へ飛ぶ質問……。
冬のベルリンの、熱い夜でした。