2月15日、市ヶ谷の防衛省へ。
かつての陸軍士官学校1号館だった市ヶ谷記念館などを見せてもらう。
この記念館の1階にある大講堂は
極東国際軍事裁判(東京裁判)の行われた場であり
この記念館の2階にある前陸自東方総監室が、
三島由紀夫と森田必勝が自刃した場である。
まさに、昭和の空気が色濃く充満している建物だ。
若松監督は、総監室から、窓の外のバルコニーに目を転じた。
そのバルコニーこそ、三島が「諸君の中に、一人でも俺と一緒に起つ奴はいないのか?」と
自衛隊員に呼びかけた場所だ。
すでに各地の舞台挨拶などでも公言している通り
監督の次回作の1つが「三島由紀夫」。
今回の見学にはNHKの取材クルーが同行。
「現場を目にして、どのような思いが?」との問いに、
監督は「ますます(「三島」を)撮ろうという思いが強くなりました。
彼らは、どんな思いで、この場所に来たのだろう、と。
僕は、再現ドラマを撮るつもりはありません
人間としての三島をどう描こうかと考えているのです」と語った。
監督の頭の中で、さまざまなイメージが一つの流れとなって渦巻き始めている。
その手応えを感じた一日となった。