ロケハンに取材に…監督のエンジン加速中
「三島由紀夫」のクランクインまで、あと一ヶ月。
若松監督はロケハンに取材にと、忙しい日々を送っている。
日ごとに、監督の中のエンジンの回転速度が高まりつつあるのを感じる。
ロケハン中の監督は、空間をじっと見つめている。その視線の向こう側に、何が見えるのだろうか。
監督の目がゆっくり動いていく。人物の動きなのか、キャメラの動きなのか。監督の頭の中で、登場人物たちはいきいきと、自在に動き回っているに違いない。そのイメージを、我々スタッフがどう共有し、制作の準備へとつなげていくのか。あまり多くを語ろうとしない若松監督とのもの創りは、こちらの想像力や発想力が常に試される。緊張の糸は常にピンとさせねばならないけれど、心躍るセッションでもある。
6日(日)は相模原にある神刀流の剣舞の道場を取材。三島由紀夫役のARATA氏も同行、張り詰めた様式美の漂う、迫力ある剣舞を見学させて頂いた。日本刀をこよなく愛した三島氏。どのような思いを刀に込めていたのだろう。
一方の若松監督は、かつて、映画製作の資金を捻出するために、日本刀を売る商売をしていた事もあったという。やや懐かしそうに(?)日本刀を見つめていた。