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2011年04月 アーカイブ

2011年04月06日

クランクイン!2・26の青年将校ら現る

4月1日、新潟県魚沼市六日町にて、ファーストカットの撮影が行われた。
1936年2月、首都東京を震撼させた青年将校らとその下士官たちの決起、
いわゆる2・26事件、ときの首相ら重臣を襲撃、殺害したクーデター未遂事件である。
その日、東京は大雪に見舞われていた。
ザックザックと雪を踏みしめて進む多数の軍靴。
その将校らの姿を見つめる、一人の少年の姿があった。大きく見開かれる少年の目…。
当時11歳であった三島少年の瞳に、脳裡に、
将校たちの決起はどのように焼き付けられたのだろう…。
という感慨にひたる間もなく、終始現場に響き渡る監督の怒号…。
ああ、若松組が再び始動したんだなあ、という別の感慨にひたる。
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六日町に到着後すぐ、撮影の辻智彦、制作の大日方教史とともに
ロケハンに出かけた若松監督だったが、すぐにロケ地を決めて戻ってくる。
エキストラの皆さんに集合して頂く予定の13時には、
すでに監督のエンジンはフル回転になっていた。
すぐにでもロケに出発したいけれども、まだ揃わない青年将校たちのフル装備…。
「何モタモタしてるんだ!日が暮れるぞ!」
「明日になるぞ!早くしろ!(いえ、まだ13時15分ですが…)」
窓の外から監督の怒鳴り声が聞こえて来る中、
衣装部、演出部、エキストラの皆さんの総力を結集し、汗だくになって、
大急ぎでゲートルを巻き、コートを着込み、水筒と背嚢を背負い、
銃弾のベルトを締めていく。
みるみるうちに、部屋の中は旧陸軍の青年将校たちで溢れかえっていった。
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監督の怒号は、監督流の現場演出術とも言える。
監督の怒鳴り声で現場は締まり、スタッフも出演者も誰もが1点に集中するからだ。
その集中力は長くは続かない。
だから監督は早撮りだ。
現場が一点に集中したその瞬間を、キャメラに素早く切り取っていくのだ。
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というわけで、撮影は、あっという間に終了した。
緊張で少し頬を赤らめながら、足早に過ぎゆく将校らを
懸命に見つめる少年役の尾崎康介君。
わざとらしい演技のない、その初々しさが、胸に強く残ったワンシーンとなった。
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エキストラにご協力くださった皆さま、魚沼市のFCの皆さま、
本当にありがとうございました。
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エキストラ大募集です!

下記のロケにつき、エキストラの方を大募集中です。

1・4月17日(日) 午後、早稲田大学大隈講堂前に集合
 1966年秋頃。左翼学生運動の活動家
(年齢不問ですが学生に見える方。男性のみ)

2・4月21日(木) 午後、阿佐ヶ谷ロフト集合
 1969年5月に行われた東大全共闘との討論会に出席している学生たち
(年齢不問ですが学生に見える方。男女)

3・4月30日(土) 午後、清澄集合
 男性自衛隊幹部 数名(20代後半~50代の男性)

※時代設定が昭和ですので昭和っぽい服装でお越し下さい。
※髪型は金髪茶髪・ピアスおよび今っぽい髪型はご遠慮ください。
※出演料は発生しません。

出演を希望される方・質問がございます方は以下まで
参加希望日・名前・連絡先(携帯電話)・メールアドレスを記入の上
以下のアドレスにてご応募下さい。
Wakamatsugumi_mishimayukio@yahoo.co.jp

2011年04月18日

早稲田に吹き荒れた嵐

4月17日(日)、三島ロケが本格スタートした。
「よーい、シュート!」
キャメラが回り出す。
クランクアップまで、ついにノンストップの日々が始まった。
この日のファーストカットは日本の未来への熱い思いを語る森田必勝青年。
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彼の脳裡には、どのような理想の未来図が描かれていたのだろうか。
森田役の満島真之介は、初の若松組。
これから、若松監督の演出と満島の演技がどのような和音を奏でるのか、楽しみだ。

17日の午後は、早稲田大学の協力のもと、
大隈講堂前で新左翼の学生たちと森田ら保守派の学生の乱闘シーンの撮影。
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やり直しのきかない一発勝負、満若のBキャメラのみならず、
照明の大久保キャメラなども総動員。
そして、気合い満タンの大勢のエキストラの皆さんのご協力のおかげで、
迫力ある乱闘シーンが撮影できた。
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21日(木)12時からの、阿佐ヶ谷ロフトにおけるエキストラも
ぜひ、皆さま、ご協力をお願い致します!

1966年当時、早稲田は150日間に及ぶバリケード闘争のまっただ中にあった。
学生運動の嵐が吹き荒れる中、これら新左翼の学生のやり方に不満を持った森田らが、
「新民族主義」を掲げ、左翼革命勢力と対決すべく結成したのが、
「日本学生同盟」だったのだ…。
というわけで、夕方からは、河合塾コスモ校の協力で、
日本学生同盟(日学同)の発会式の撮影。
日学同の初代委員長、斎藤英俊の演説が響き渡る。
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初日の撮影は、大きなトラブルもなく、
監督の激しい怒号が響き渡ることもほとんどなく、
この日の気候と同じく穏やかに終了した。

そして今日、西荻の小さなアパートにて、
森田ら楯の会の若者たちの心の葛藤を描くシーンの撮影。
撮影現場のアパートが余りに狭く、スタッフは殆ど現場の外で待機。
扉の向こう側から、森田らの歌声が漏れ聞こえてくる。
生き急いだ若者の歌声が、哀しく胸に響いてきた。
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2011年04月19日

磯の香りと監督の怒号

本日は、風と波が吹き付ける岩場にて撮影。

「そうじゃないだろう!台本なんて、こんなものを信じるな!芝居をするな!」
久しぶりに若松節が炸裂。
現場に緊張が走りました。
怒号を響かせつつ、演技指導しつつ、監督自らも少し出演・・・。
どんなシーンかは、作品を観てのお楽しみです!
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2011年04月21日

国際反戦デーのその日…

1968年10月21日、ベトナム戦争に反対する学生たちが新宿に集結、
米軍横田基地へのジェット燃料の補給を阻止すべく
新宿駅を実力で占拠した。
いわゆる、新宿騒乱である。
時を同じくして、三島たち楯の会の隊員も
都内某所に集結していた。
自衛隊が治安出動に動き出すその時に備えて…。

楯の会の若者たちも新左翼の若者たちも
今の社会構造に疑問を抱き、よりよい社会を夢見ていた点では
同じ情熱を抱いていたといえよう。
だからこそ三島は、東大全共闘の討論で
「諸君らがひとこと、天皇とさえ言ってくれれば
 喜んで安田講堂にともに立て籠もったのに…」と語るのである。
監督が撮りたいのは、三島の人生の再現ではなく
そうした情熱を抱いた人間たちの息づかいである。

そして、昨日も今日も、私たちの目の前に、そんな人間・ミシマが出現した。
人が人を表現する事の奥深さに、思わずため息。
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本日の東大全共闘との討論シーンでは、懐かしい「実録・連合赤軍」の
懐かしい元同志たちも数名集結。
100名近いエキストラの方も集まって下さり、熱気でムンムン。
緊張感と熱気と怒号が場内を満たし、1960年代の空気に包まれた。
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ご協力くださった皆さま、ありがとうございました。
そして、ネイキッドロフト、ロフトプラスワン、阿佐ヶ谷ロフトと
ロケ場所を提供してくださったロフトの皆さま、ありがとうございました!
ロフト独特の空気であったからこそ、あの熱気が醸し出せたのだと思います。

2011年04月22日

三島の心

本日のロケは、剣道場と都内神社境内にて。
相変わらず早撮りの若松監督、その瞬間瞬間の人間を
迷いなく演出し、切り取っていく。
これまで連日、ほぼ予定を数時間巻いて撮影は進行。

午前中の道場では、三島と盾の会学生部代表の森田の思いが
交錯する。
派手な演出や芝居ではなく、
わずかな息遣い、眼差しに、垣間見えるものを
キャメラは丁寧に追いかける。
そうした繊細な表現の現場ではあったが
相変わらず、朝イチから道場に響き渡るのは
監督の怒号…。
ご協力くださった小塚道場のみなさま、ありがとうございました。

続いて午後は、都内の神社境内にて、三島の舞。

ARATAの舞の一挙一動、手の動き、目線、
その細かな一つ一つに、魂が宿っている。
見つめる監督も、思わず手を握りしめている。
「カット!!」
満足げな監督の声が境内に響いた。

三島の精神世界を若松監督が、不思議な手触りで描き出す。
春爛漫の境内で、時空を超えたような、奇妙な錯覚を覚えた。

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2011年04月24日

御殿場ロケ始まる

本日、朝6時半に都内集合後、一路御殿場へ。
三島と自衛官との出会い、盾の會結成式、学生長交代など
すごいスピードで撮影がすすんでいく

今まで、台本上の文字でしか共有できなかったイメージに
役者たちが次々と息吹を吹き込んでいく。

そして、本日も終日響く監督の怒号。
「幼稚園の芝居するな!」
「本なんてろくなもんじゃないんだ!」
「てめえの頭で考えろ!」

怒りながら、芝居をじっと見つめながら、キャメラのアングルを決めながら、
監督は次々と撮り続けていく。
そして本日も3時過ぎに撮影終了。
あまりのスピードに、目眩を覚えるほどだ。

御殿場ロケ写真は、明後日、東京に戻ってからアップいたします。

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