先月27日より、大島ロケに突入。
未だにかすかな噴煙が漏れ出している三原山の裾野にて。
あるいは、太平洋を見渡す海辺のバーにて。
あるいは、火山灰の地層が歳月の彩を織りなす岸壁にて。
あるいは、かつての面影そのままの港町にて。
日々、空間の中で、監督のイメージが膨れあがり、流れ出す。
役者もスタッフも、監督の頭の中を探ろうと、必死になった一週間。
あのシーンは、どこにつながるの?
一体、どうして、こんな撮り方するの?
さっきはこう言ったのに、今は真逆の事を言ってない…?
空間を見て、役者の演技を見て、その場でキャメラのアングル
カット割りを即断する若松監督。
現場で、次々と変わっていく演出に、
「実録・連合赤軍」「三島由紀夫」に続き若松組3作目となる
岡部尚は、「すごくエキサイティングな現場だった」と語った。
体調が決して万全ではない中で始まった大島ロケ。
数日ナイター撮影もあり、若松組にしてはハードなスケジュール。
後半、明らかに疲労が蓄積した様子の若松監督だったが
最後まで全力疾走し、昨日、無事クランクアップした。
少ないスタッフをサポートすべく、俳優部も全力投球。
自らの衣裳や小道具の管理はもちろんのこと、演出部の手伝い、
他の役者へのケアなど、役割を超えて大活躍、まさに全員で創り上げた現場だった。
「実録・連合赤軍」以来の若松組常連メンバーである、
ARATA、地曵豪、大西信満の3名には、役者としてのみならず、
スタッフの支えとして、本当に様々な場面で助けてもらった。
初の若松組となった主演女優の片山瞳も、
単身で現場に入り、体当たりの演技を見せた。
そして何よりも、若松監督の旧友で大島在住の佐々木美智子さんの
全面的バックアップがあったからこそ可能となったロケでした。
ご協力くださったたくさんの方たちに、心からお礼申し上げます。
本当に、ありがとうございました。
来週から、「三島」と「海燕」の編集作業が始まります。
制作状況も、折に触れてブログ上でご報告していきます。