昨日、今日と、2日間にわたり、
シネマサウンドワークスにて「三島」のダビングを行った。
三島の息づかい、衣擦れの音、風の音、
遠くに響く怒号、ため息、過ぎゆく電車の音。
そして、雅楽の音と板橋さんのピアノの音。
改めて思うのは、映画とは実に何層にも重なった表現だということ。
多くは語らず閉ざした口元のかすかな震え、
額を流れていく汗、どこかできこえる小さな暮らしの音、
淡い光に照らし出された柔らかな表情の、
すぐ背後に迫る深い闇。
言葉で説明のつかない、それらの表現の渦を
見つめ続けた2日間だった。
今も、心の中で、ピアノが鳴り響いて、三島の絶叫が耳を離れない。
音と映像が出会うというのは、こういう事なのだ。