昨夜、「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が
世の中に向かっての第一歩を歩み出した。
立ち見席も完売、それでも当日チケットを求めて
足を運んで下さる方が後を絶たない状況で幕を開けた特別上映会。
会場全体を包む不思議な熱気は、
2008年の「実録・連合赤軍」公開当時を思い出させた。
同時代の、しかし全く真逆の思想を抱いた若者たち。
この非常にシビアで重たい2つのテーマに
敢えて挑んだ若松孝二。
上映に先立って、若松監督と三島由紀夫役の井浦新(ARATA)、
森田必勝役の満島真之介、古賀浩靖役の岩間天嗣が舞台挨拶を行った。
「11月25日、今日は三島さんたちの命日です」と語り始めた監督、
「ステージの上からの挨拶はおこがましいので、舞台下からご挨拶します」と
集まった観客に謝意を述べた。
続いて、井浦が「この三島さんの命日に、この作品が飛び立っていけることを
本当に嬉しく思っています」と語り、観客に向かって頭を下げた。
満島は緊張のあまり、言葉に何度も詰まりつつ、
自分の思いを言葉にしようと懸命になっていた。
岩間も率直に挨拶の言葉を述べ、出演者が三者三様の挨拶を終えて
本編上映が始まった。
上映終了後、間もなく、ドキュメンタリー監督の森達也氏と
一水会顧問の鈴木邦男氏によるトークショーが始まった。
三島氏らの決起当時、まだ16歳だったという森氏と
森田必勝氏の大学での民族派運動の先輩であったという鈴木氏。
スタンスも思い入れも異なる二人によるトークとなった。
三島氏が、当時の時代状況に影響を受けながら、
楯の会での行動を先鋭化させていく様を
1つ1つ検証しながら語る鈴木氏。
記録映像の使い方について語る森氏。
トーク後半には若松監督も飛び入りで壇上に上がり、
映画ラストシーンに込めた思い、さらには
つい先日クランクアップした「千年の愉楽」について語った。
最後には、客席にいた出演者の篠原勝之(陸上自衛隊富士学校長役)や
「千年の愉楽」に出演した佐野史郎を監督が壇上に呼び上げ、
トークを賑やかにしめくくった。
「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が
本当の意味で完成した、記念すべき第一日となった。
この先も、続いて制作した「海燕ホテル・ブルー」の公開前イベントや
「千年の愉楽」の編集、音楽作りなど、3つの作品に関する動きが加速する。
年の瀬を前に、エンジン全開の若松監督である。
この先のイベントや作品制作進捗状況など
出来る限り細かくブログにて告知、レポートしていきます。
どうぞよろしくお願い致します。
なお、昨日、足をお運びくださりながらご入場頂けなかった方たち、
申し訳ありませんでした。
来年の公開をどうぞお待ちください。