つい先日、シネマサウンドワークスにて
「千年の愉楽」のダビングが終わった。
ロケの舞台となった三重県尾鷲市須賀利は
昭和と変わらぬ佇まいの、静かな集落だ。
この地が積み重ねてきた年月の色合いによって
作品に深みとリアリティが増している。
改めて、ニセモノではない風景の美しさを実感した。
監督が惚れ込んで今回参加して頂いた
奄美民謡の歌い手、中村瑞希さんの唄声とサンシンの音色が
さらなる奥行きを生み出す。
スタジオの大きなスクリーンの映し出された
オリュウが、三好が、半蔵が、達男が、そして彦之助や礼如たちが
なんと人間臭く、愛おしく、息づいていることか……
と、ダビングしながら、何度も言葉を失う。
三重県尾鷲市の須賀利でのロケを
全面的に協力して下さったのが、
東紀州フィルムコミッションの方々。
昨日、都内で行われた三重県の観光イベント会場で
この東紀州のFCの方達との嬉しい再会が待っていた。
一人一人の顔を見ると、夢のように過ぎ去ったロケでの日々が
鮮やかに脳裡に蘇ってくる。
スタッフもキャストも無我夢中で走り続けた日々を
常に横にいて支え、共にはしり続けてくれた、いわば同志。
本当に、心から感謝。
秋頃の全国公開を予定しているが、
三重県でも色々な形で上映が実現するよう、
共に模索していけたら、と思っている。
さて、2月9日の海燕先行上映会もいよいよカウントダウン!
3月24日からの公開も、前売りチケットの販売が始まっている。
若松孝二、75歳。
その頭脳と情熱から生み出された、新たな荒野の密室劇。
どうぞ、劇場で目撃してください。
お待ちしております。