キャストが勢揃いした一夜
昼間の暴風雨が徐々に納まりつつあった3月31日(土)夜、
テアトル新宿に、「海燕ホテル・ブルー」のキャストたちが集まった。
初日舞台挨拶には地方ロケのために参加できなかった井浦新も
劇場に駆け付け、若松監督、片山瞳、地曵豪、大西信満らと
お客様の前に並んで挨拶した。
テアトル新宿での公開が折り返し地点に来たこの日、
劇場に足を運んでくださったお客様たちの中には
「2回目です」という方も。
観る度、新しい作風が目の前に立ち現れてくるのが
この作品の面白さでもある。
舞台挨拶では、若松監督と井浦が司会進行も兼ねた。
場内からは「老婆」の意味するところ、
若松作品の<常連>という肩書きがつきつつある井浦に
若松組の魅力についてなど、質問の声があがった。
自分自身は<常連>だとは思っていないこと、
1作品1作品が一発勝負であること、
その上で、今回の作品は、レンセキからの仲間である
地曵、大西らとの共演で、ある種の神がかり的な呼吸の中で
演技ができた奇跡の現場であったことなどを井浦が語った。
ジム・オルークのサントラ付き公式ブックも
監督の熱心なアピールの甲斐あって、
この夜も8割近いお客様がご購入くださる。
この公式ブック、原作者の船戸与一と若松孝二の
長きにわたる交友関係(実は、『聖母観音大菩薩』(1977)に
船戸はエキストラで出演も)が織り込まれた対談や、
キャストの座談会、撮影日誌や完成台本など
盛りだくさんの内容。
21世紀の「若松メルヘン」(宮台真司・談)として
長く記憶される作品になる事を願っている。
テアトル新宿での公開は4月6日(金)まで。
その後はキネカ大森ほかでの上映が予定されている。
皆さま、どうぞ劇場に足をお運びください。