本日の監督は、終日、打ち合わせと取材。
「実録・連合赤軍」以来の付き合いとなった
フランス配給会社のスタッフたち。
スイス・ロカルノ映画祭のディレクター。
イタリアのテレビ局ディレクター。
皆、若松作品を味わい尽くし、この味わいをヨーロッパに知らしめたいと
熱い眼差しを若松作品に注いでいる人ばかりだ。
今回、若松監督に通訳兼コーディネーターとして付き添うのは
若松作品のフランス語字幕なども手がけ、長年監督の通訳を行っている
高橋晶子氏。
監督の言葉の行間の意をしっかりとくみ取って相手に伝えてくれる
頼もしい理解者である。
海外の各氏との打ち合わせの合間に、
井浦新と若松監督を、日本からの新聞各紙が囲みで取材。
眼下にカンヌの碧い海を臨み、空を白いカモメたちが舞う
リゾートの緩く流れていく時間をかき乱すように
監督と井浦が、それぞれ「三島由紀夫」について熱く語る。
インタビューの途中、監督がこう言った
「いよいよ、明日(公式上映)ですからね。
フランスの人たちが、どんな反応を見せてくれるのか。
僕みたいに図太い神経の持ち主でも、
そりゃ、今夜は眠れないですよ。
公開前夜と同じ心境です」
そう言いながらも、次の瞬間には次回作の構想を熱く語り出す。
監督の作品作りへの情熱は、ますます加速しているようだ。