25日22時。
会場前にエンディングの「Only You」が流れ
井浦新と満島真之介と並んで、若松孝二が
赤いカーペットの上を歩いて行った。
カンヌ映画祭ある視点部門の劇場「ドビュッシー」。
2時間後、エンドロールが消えると、
劇場内に拍手がわき起こった。
観客たちのスタンディングオベーションである。
監督に近寄り、感動したと涙ながらに語る人の姿も。
若松監督の顔に、ようやく安堵の表情が浮かんだ。
続いて深夜0時過ぎ、日本のメディアの囲み取材を行う。
疲労の色の濃い監督だが、それ以上に、その瞳には
観客たちの反応に対する喜びが漲っていた。
三島由紀夫と楯の会の行動に対するフランスの観客たちの反応は?
作品をどのように理解した、あるいは逆の意味での反応などを感じた手応えは?
日本のメディアから投げかけられる一つ一つの問いにも
いつもの元気な若松節が炸裂する。
監督の隣で、大役を果たし終えた井浦も、穏やかな笑顔で質問に応じている。
また、満島は、初の大舞台を経て、改めて怒涛のロケを振り返った。
「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」
公開1週間前。
うれしい手応えを確かに感じた、ワールドプレミアの長い長い一日が終わった。
写真は、公式上映直前の一枚。
美しいカンヌの夕暮れを背景に。