7月1日(日)小雨が降る中
テアトル新宿は立ち見の方も出る大入り満員で
三島5週目を迎えた。
若松監督と井浦新、そして満島真之介が上映後に壇上に上がり
6月2日から始まった長い三島の公開の日々を振り返りつつ
お客様との濃密な20分を共有した。
会場からは、「劇中に「生きることはどう死ぬかだ」というニュアンスの
台詞があったが、ご自身は、死に方を意識していますか」という問いが。
井浦は「それぞれに方法論だと思うが、自分自身は常に今をいかにドライブして
生きていくかに重きを置いて考えている。その上で、明日、死ぬかもしれないし
いつ何があるかわからないが、その時に、いい人生だったと思えればよい」と語り
若松監督は「あのね、50も過ぎれば、死ぬなんていちいち、どうでも良くなる。
いつ何があるかもわからない。みんな、自分のやりたいことをやればいいんです」
と話した。
さらに「崇徳院を演じることと三島を演じたことに因縁を感じるか」
「三島由紀夫や森田必勝という人物を演じながら、何を感じたのか」
といった質問が相次いだ。
日米同盟、日本の自衛隊をアメリカがいかに重視しているかといった話題になるや
監督はスイッチがオン。
「あのね、絶対に、戦争なんかダメなんですよ。
どれだけ女性や子どもも犠牲になるか。
戦争は絶対にだめだ。
原発だって、大飯の再稼働なんて、ふざけた事になって。
でもね、再稼働なんて状況は、自分たちの責任だ。
そういう政治家を許してきたんだよ。
絶対に、原発を稼働させた政治家たちを次の選挙で落とす、
それしかない」と熱弁をふるった。
ちょうど、昨日のイベントの日には
大飯原発再稼働のために、再稼働に反対する人たちの抗議行動を
機動隊が強制撤去。
夜21時には、大飯原発の原子炉がついに起動した。
数十年前から原発に反対してきた若松監督は
黙ってはいられなかったのだ。
井浦と監督の熱弁に押され気味だった満島も
「森田という人を演じること、新さん演じる三島さんの背中を追いかけること
その事に精一杯だったが、この情熱は、今の時代にも通じるはず。
僕と同じ世代の人に、一人でも多く、作品を観て欲しい。
親戚の方、友だち、お子さんなどに、お小遣いを1000円渡して
携帯をいじる2時間を、劇場に行っておいで、と言ってください」と頭を下げた。
トークでは、多くの観客の方が挙手をしてくださり、
時間の都合上、十分に対応できず、心残りとなった。
そのため、再び、時間をたっぷり確保してのトークイベントを
現在、調整中だ。
実現可能かどうか、まだ確定ではないが、
三島公開のスタート地点であるテアトル新宿にて
再び濃密な時間を演出したいと、監督は意気込んでいる。