若松孝二、ベネチアのレッドカーペットを踏む
夢だった、三大映画祭の制覇が実現した。
権威主義になるわけではないが、
「バカ松」「バカ松」と、インテリ映画人からアホにされ
「今にみていろ」とコツコツ制作アシスタントから助監督
そして監督となって独立プロを立ち上げ、
異色の映画監督として孤軍奮闘してきた若松孝二が
密かに抱いていた夢だった。
「国辱映画」と罵られても
「どぶ川に咲く一輪の花だってあるんだ」と
自分の表現したいものにこだわり続けた。
大きな資本の後ろ盾もない。
配給宣伝会社の力も借りない。
全て、自主製作自主配給でやってきて
ここまでたどり着いたのだ。
現地時間の9月4日午前11時。
最新作「千年の愉楽」の公式上映が始まった。
上映に先立ち、レッドカーペットを歩く
若松孝二とキャストの高岡蒼佑、高良健吾、原田麻由ら。
会場内でも、上映前にそれぞれの名前が紹介され
立ち上がって挨拶をする。
上映終了後、場内は暖かな拍手で包まれたという。
特に、監督にサインを求める人たちの勢いは
ベルリンやカンヌ以上だったと、全での映画祭でコーディネーターを務めた
高橋晶子氏は言う。
圧倒的な存在感を持つ中本の男たちを演じた
高岡蒼佑、高良健吾も、マスコミの取材を受け、
自分たちの作品への思いを語った。
リド島の夕暮れの空をバックに
現地メディアの取材を受け続ける若松監督。
公式上映の慌ただしい一日は、こうして終了しました。
応援してくださった皆さま、感謝申し上げます。