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若松孝二がそこにいた夜

昨日、下高井戸シネマにて、予定通り
「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」上映後に
トークイベントが行われた。
補助椅子も座布団も総動員、立ち見で作品を観てくださった方たちも
多くいらした中で、上映後に、井浦新、満島真之介、大西信満が
トークに立った。

若松孝二が、他の監督と違う点は何か。
劇映画でありながら、実際に起きていることのようなリアリティを感じるのはなぜか。
連合赤軍の後に、なぜ三島由紀夫を題材にしたのか。
若松孝二から言われた言葉で、強く思いに残っているものは何か。

時間ぎりぎりまで、お客様からの挙手は続いた。

「ものづくり、映画作りに対する、自由さと純粋さ。
 若松監督ほど自由で純粋な監督は他にいないと感じる」
「役者を言葉で徹底的に追いつめていきながら
 内面の何物かをえぐり出していく、その演出は若松監督ならでは」
「大人に対して、あそこまで真正面から
 言葉をぶつけてくる人は、他にいない」
「再現ドラマを撮るのではないから。その瞬間、芝居をしたら怒られますから」
「監督が描きたかったのは、「三島由紀夫」そのものではなく、
 彼を通して、命がけで何かをしようとする若い人間の生き様だった」

ここに、実体として立っていない、若松孝二の
その思いを、作品を、情熱を、なんとか伝えようと
3人が懸命に言葉を紡いだ。
舞台挨拶では、作品を一人でも多くのお客さんに見てもらうために
時につたない言葉になりながらも、懸命にしゃべり続けた若松監督が
今も、3人の横に仁王立ちしているのではないか、とさえ思えた。

そこには、何もかも、言葉と思いがかみ合わないような
ここ数日の出来事を、ともに受け止めて、前に向かおうとする
同志がいた。

下高井戸シネマでの上映は、今週金曜まで。

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2012年10月22日 19:50に投稿されたエントリーのページです。

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