若松プロの4階は、賑やか好きの監督の意向で
掘りごたつ風のしつらえになっている。
四季折々に、人が集まり、酒を酌み交わし
ベランダの向こうの御苑の緑や、
さらに向こうに神宮の花火などを眺めて楽しむ。
今、そこには、監督の大きな遺影や
これまで貰ってきたトロフィーや
監督の好きなビールなどが並んでいる。
(ほんとは焼酎水割りを置くべきか?)
そして、ここに並ぶトロフィーが、先日一つ増えた。
全国興行生活衛生同業組合連合会(略して全興連)が
若松孝二に、全興連特別功労賞を授与したのだ。
監督は、映画を愛し、身銭を切って映画を創り
自分の足で歩いて劇場でフィルムをかけた。
「決まったやり方なんて、ないんだ」と
70歳を過ぎても、毎回新しいやり方を考えて挑戦し
時に成功したり、時に失敗したり、失敗しても
「ダメで元々じゃねえか」といって、次の挽回を狙った。
功績を労る、という賞は、確かに監督にふさわしい。
特別功労賞のトロフィーを見下ろす遺影の中の監督は
上々の笑顔を浮かべていた。
(真ん中は釜山映画祭の手形。上述のトロフィーは右。
ベルリンで銀熊を受賞した時の監督の映像のフィルムが入ってる)
監督、おめでとうございます。
いよいよ、今週末から、
新・文芸坐にて若松孝二レトロスペクティブが始まる。