昨夜、代官山TSUTAYAにて行われたトークイベント。
「11.25自決の日」「海燕ホテル・ブルー」DVD発売を記念して
久々の若松組の面々が代官山TSUTAYA映像フロアに集結した。
井浦新、大西信満、満島真之介、片山瞳。
2作品の出演者たちが、映像フロアの片隅に並んで座り、
そのすぐ向かい側は、会場に足を運んでくださったお客様でぎっしり。
小さな空間が、たちまち「若松組ティーチイン」の場と化した。
各作品のオファーのタイミング、海燕で行われた異例のオーディションの様子
現場での2作品の空気の違いと、共通する緊張感。
狭い空間にディープな言葉が飛び交った。
「楽しんでいても、馴れ合いはない。どんな現場であっても
監督が役者に求めて来るものを知っているから、緊張する。
考え無しの芝居をすぐに見抜かれるから」
三島由紀夫と海燕ホテル、テーマへのアプローチは真逆に見えて
人間を演出するという姿勢において、若松孝二は変わらない。
さて、イベント後半は恒例の観客からの質問に。
「同世代の役者さんとのせめぎ合い、共有したもの」について満島が問われ
「恐らく、自決した2人より残された3人の方が辛かっただろうね、と
そんな事を語り合っていた現代っ子の僕らにとって
最後に唐獅子牡丹を歌いながら、車の中で言葉を交わしたあのシーンで
5人の気持ちが一つになったように感じた」とロケ当時を振り返る。
続いて、「みなさんの好きな過去の若松作品は?」との
レンタルショップならでは、テンションも上がる質問が。
「若松監督の、日本の原風景への眼差しを感じる」
「原田芳雄さんと監督との対等なぶつかり合いの現場だった」と
井浦、大西が「寝取られ宗介」を選ぶと、
「それまで全く関心のなかったピンクだったけれど
ピンク界の黒澤と聞いて驚いて、見てみた。あの時の衝撃。
男と女の肉体があれほど神秘的で、生と性の不思議さに触れた映画は
初めてだった」
「風景としてのアプローチがとても似ていて、クランクイン前に
監督からも観るように勧められた」と
満島、片山が「処女ゲバゲバ」を挙げた。
一方で、「若松監督がプロデューサーだけに徹した作品
あるいは、(自分が資金を出さずに)監督だけに徹した作品など
それぞれの作品を見ると、また、興味深い」と井浦が別の視点を提起するなど
話しはどこまでも拡がり…。予定時刻を過ぎての白熱トークとなった。
口角泡を飛ばして作品について語っていた若松監督の姿はなく、
作品について思いを伝えようとするキャストたちの顔ぶれを見つつ
この光景はしばらく見ることはないかもしれないと思いつつ
しかし、それぞれがまた、次なる挑戦をしている様子を聞くと
若松プロ、死なず!と思うのであった。
次は新たなる「千年の愉楽」公開に向けて
歩を着々と進めていく。
再度、告知を。
2月9日10日、三重県尾鷲市、和歌山県新宮市にて先行上映会。
いずれの会場でも、高良健吾、高岡蒼佑、井浦新のトークあり。
2月9日(土)尾鷲市民文化会館(せぎやまホール)
12:00/15:30
当日券のみ(11:30よりホール入り口にて販売)全席自由1000円
各回上映終了後にキャストトーク。
共催:財団法人尾鷲文化振興会
2月10日(日)新宮市民会館大ホール
12:30/16:00 全席自由1000円(前売りも1000円)
12:30の回は上映終了後に、16時の回は上映前にトーク。
前売り券の販売場所は以下。
新宮市観光協会/文具センターツツ井/荒尾成文堂
勝浦観光協会/TSUTAYA WAY新宮仲之町店
共催:熊野しんぐうフィルムコミッション