昨日、第55回ブルーリボン賞授賞式が行われた。
在京スポーツ7紙の映画記者が選ぶという同賞、
生前の若松監督には縁がなかったが、
この度、特別賞なるものが、授与されることになった。
「賞とか名誉は人をダメにする」が持論の監督だったが
宣伝費ゼロ円の自主配給ゆえ
「宣伝になるんだったらもらっとけ」も持論だった。
「千年の愉楽」公開に先立つこの時期の受賞
監督が喜ばなかったはずがない。
授賞式には、監督の三女で若松プロ代表の伊藤宗子が出席。
墓前に報告してきた事などを語った。
そして、何よりも監督が喜んであろう受賞は
近年の若松組の俳優陣の背骨となってきた
井浦新の「助演男優賞」。
生前から「「11.25自決の日」で、なんとか新に主演男優賞を
取らせたいんだよなあ」と語っていたが
残念ながら、それは果たせていない。
しかし、「かぞくのくに」での新の演技力が
高く評価されている事は知っており
上映されているテアトル新宿にちょくちょく足を運ぶほど
その事を気にかけていた。
人一倍ヤキモチ焼きの監督は
自分以外の作品で、俳優さんが名演技をすると
喜びつつも、どこか悔しがるところがあった。
しかし、自分が新作を撮る事ができなくなった以上、
若松組の参加したキャストたちがますます力を付けていく様を
向こう側からニヤニヤしながら眺めている事だろう。
若松監督、おめでとうございます。
そして、井浦新さん、おめでとうございます!
映画界に、ますます波風を!